「おばさん」のトリセツが欲しい


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カーラジオが、東京は雨と言っているけれど、富士五湖周辺は降る気配がない。
これも普段からの行いと自画自賛。
しかし高曇りなので、被写体として今日の富士山の魅力は薄い。

でも、ここまで来ると涼しく、わざわざ気温0度の風穴に潜り込むこともない。

小学生の林間学校の折に入った記憶はあるが、「入った」だけで、中の印象は残っておらず、観光業者さんには申し訳ないが、そういうことである。

私の記憶はニワトリにも及ばない、という昔からの現実もある。

時雨亭の留守番をお願いした友人に連絡を取ると、珪藻土を混ぜた土壁をすでに三面仕上げたという。

左官仕事はまったくわからないから丸投げで任せて、こちらは今日から始まった夏季休暇を満喫している。

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ちょっとだけ樹海を散策してみたいが、独りで入って行く姿を勘違いされても困るので自重した。

血気盛んな二十代の頃は東海自然歩道や旧東海道を完全踏破してみたいと思ったものだが、やるやる詐欺のようなもので、歳を重ねると、あの意気込みは何だったんだろうと、自分に騙された気がする。

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山中湖畔で食事でもと適当な店を探したが、凡そは土産物屋を兼ねた食堂で、客慣れしたお店の人たちの対応もどことなく馴染めず、こちらだってそんなことなども含めて観光地慣れしているから、メニューや値段だって簡単に想像できてしまう。

ワカサギは時期ではないし、バスのフライかムニエルでも出すのだろうか。

時期が外れていても、もちろんワカサギ定食やほうとうなどはあるのだろうが、食指は動かない。

無難に、いつもの「マ・メゾン」でご隠居カレーの昼食を済ませた。
この店については何度か触れている(参照)ので、今回は書くこともない。

河口湖半に戻り、与勇輝さんの人形も見物したが、ここも以前に書いた(参照 1) (参照 2)ことがあるのでスルー。

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あえて場所は書かぬが、夕方になって富士五湖畔近くのペンションへ投宿。
部屋へ直行し、シャワーでさっぱりした。

夕食時、ダイニングの片隅でコース料理を食べていると、近くの席の中年おばさん二人連れが、チラチラとこちらを見る。

何か顔に付いているのか、身なりが貧相で憐れまれているのかと不安になり、それでも見られ続けているので、次第に愉快ではなくなって来た。

食事は美味しかったと思うのだが、二人の視線が気になって料理の印象も薄く、そそくさと食事を終えて談話室に移動した。

すぐに部屋に戻ろうと思ったのだが、置いてあるファーブル昆虫記の魅力には勝てなかった。

奥本大三郎さんの解説や注釈が、とにかく面白い!
本当は全巻買い揃えたいのだが、かなりのお値段なので、いずれ図書館で、と思っていた名訳である。

と脱線しそうになったが、やはり食事を終えたおばさん二人組がやって来て、声を掛けられた。

画像「間違ってたらごめんなさい、ひょっとして、和山温泉の番頭さんですか?」
「…、え、あ、はい」
「やっぱり!」

書くのが面倒なので詳細は省くが、以前、仁成館に泊まったお客さんだった。
苗場山登山の前乗りでの宿泊だったという。

「バス停まで迎えに来てくれましたよね」
終点の和山のバス停のことだろうが、ほぼ毎日のことだったから覚えていない。

皇太子さんが泊まった部屋に泊めて頂いたんですよ」
「もみじ」の部屋だ!
前もって登山客とわかれば、それも苗場登山なら、部屋割りは当然「もみじ」にしたはずだ。

「翌朝は、小赤沢まで送ってくれましたよね」
珍しいことでもないので覚えていない。

画像三合目の駐車場まで送れば、そこそこ私のタイプだったのだと、今さらながら白状してしまうが、そうではなかったのだ。
あれから十年以上も経てば、なおさらの現在である。

右の画像は、中津川を隔てて、小赤沢集落と苗場山を東秋山林道から撮ったもの。

「水場がどこにあるか教えてくれたんですよ」
シーズン始めには八合目まで登り、登山道の様子や水場は必ず確認していた。
登り初めから重い水筒を担ぐ必要などないからだ。

「お弁当のおにぎり、とっても美味しかった」
私が握ったのではない、親父か女将のどちらかが作った弁当である。

「露天風呂もお食事も、ぜ~んぶ最高でした」
そうだろうね。

でもこちらは差し入れなどがない限り、ほぼ毎日、お客さんと同じものを食べていたので、佃煮や蕗味噌のお茶漬けがシンプルで一番美味しかった。

二人連れは当時、百名山を目指していたらしいが、30座ほどで断念し、現在は体力に見合った登山をしていると言っていた。
今回は富士山が展望できる某山に登って来た由。

仁成館についてはあれからさまざまなことがあり、それらを当たり障りのない程度に話した。
海馬が優秀なのか、おばさん二人は一度来ただけなのに、まるで昨日のことのように、宿の細部やこちらの対応まで覚えていた。

部屋に戻ろうとすると半ば強引に引き留められ、結局、二時間も付き合わされた。
席を立つきっかけも、おばさん二人に掛かると、あの手この手でことごとく潰されてしまう。

二人の生い立ちや暮らしや仕事なんて、こっちは興味ないし、こっちに興味を持たれるのも困るが、中年おばさんとの距離感がわからないので、オロオロしてしまうのである。

オバサンは世の男性諸氏の天敵デアル。

ならば唯一、こっちと共通の山の話題に持ち込み、せめて判定をドローにすべく、雲取、大菩薩、両神、八ヶ岳など、ここから近い百名山の思い出や印象を語り合った。
(だが、ほぼ聞き手に終始したゾ)

世間は広いのか狭いのかわからないが、てなことで、旅の初日は80点といったところか。
旅は一人旅、旅の出会いは一期一会がよろしい。


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