氷雨の高尾駅で


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予報通りの雨になった。
JR高尾駅に降り立ったのは何十年振りだろう。
かつての記憶など微塵もない。
だから中央線の最後尾に乗ってしまい、到着した1番線から見ると、改札はずっと先の一番前。

以前、どこかの笑い話として聞いたことがあるが、お婆さんが東京駅から新横浜まで新幹線に乗ったが、それは最後尾の16号車で、指定券は1号車。
最後尾から車内を1号車まで移動しているうちに、新幹線は新横浜に着いてしまったというもの。
よく出来た話だが、それほど面白くはない。

仕事とはいえ、今にも霙になりそうな高尾駅前は凍えるような寒さだった。
駅前は蕎麦屋や土産物屋がある程度で、至って殺風景。
近くのコンビニを探し、貼る使い捨てカイロを買って腰に貼り付けた。
最近、やっと学習したことなのだが、貼るカイロはシャツの裏側に貼るのではなく、パンツの外側に貼れば温かさがより一層、感じられることに気づいた。
腰を温めると、すこぶる快適で申し分ない。

高尾駅といえば、酔っぱらいが寝過ごしてたどり着く終着駅として名高い。
ならば駅前にカプセルホテルかビジネスホテルでも建てれば儲かるだろう、いや、もう何棟か建っているはずと周囲を見回しても、それらしきものは一切ない。
名案だと思うのだが、目立つのは客待ちのタクシーばかりで、終電で連れて来られた人たちは、ほとんどがタクシーを利用して帰宅するのだろう。
大きなビジネスホテルなどが建ってしまっては、タクシー会社もお手上げなのだと推測する。

つらつらと、そんなことを考えながらの仕事だった。
以前はボランティアとしてやっていたことを、いまはお金を頂戴してやっている。
生きるため、生活するためと、自分の心を無理やり納得させ、それでも内心では忸怩たる思いでいる。
でも、次から次へと途切れずに仕事があるだけ幸せなんだと自分に言い聞かせ、どこまでも続く不況を何とか生きている。

いつまで生きるんだろう。
いつ死ぬんだろう。
昨夜は、死んだ人が二人も夢に現れて、久し振りに懐かしく話をした。
ところが、夢のストーリーはあまりにも荒唐無稽すぎて、早くガン検診をした方がいいよ、いや、早急にしなければダメだ、などとは思いもつかなかった。
いつだってそうだ。
だからこそ「夢」なのだが、目覚めた時の、何とも形容しがたい心持ちが歯がゆい。

氷雨は現実、腰の温かさも現実。
どちらも現実ならば、今は腰の温かさに幸せを見い出そう。
小さくても、これは紛れもない幸せ。
師走の今月も、残すところわずか二週間。
こうした思いで、来年も私は生きていく。


追記  駅を出た目の前、国道20号交差点角に、「きくや」という小さなビジネスホテルがあった。

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