時雨亭往還

アクセスカウンタ

zoom RSS このほうれい線が目に入らぬか

<<   作成日時 : 2018/03/11 22:00   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 22 / トラックバック 0 / コメント 6


私のようなロートルはもう引っ込むが良かろうと思うも、今年もまた仙台へお招き頂き、のこのこやって来た。
どこかでボタンが掛け違えられたか、単なる会合なのに講演とフェイクされている気配もある。
それもよし、懇談の内容こそが大切なのだ。

一ヵ月前からメールのやり取りがあって、何を議題(話題)にするかの打ち合わせを繰り返した。
何でもいいと言われ、ならば原発関連で自主避難された方が身近にいらっしゃるので、この話でどうですか?と返したところ、すでにその話をされる方が決定しているので他の話を、ということだった。

ならば、こちらは関東(東京)人だから、いつものように中央とこちらの意識や温度差についてちょこっと考察してみようかと提案。
大臣から「東北でよかった」発言が飛び出したことも記憶に新しい。

ところが先方には内に秘めた思惑があった。
老老介護や老壮介護、それに認知症の高齢者を介護する問題についての発言が欲しいらしいとわかった。

私は認知症の進んだ母を介護していたし、その中で母が実は子宮がんであったことにも気づかず、わかった時点で手遅れになった苦い経験がある。

しかしこの話も、母の尊厳を守る気持ちが優先し、今まで多くは語らなかった。
懇談に集まるのは30代、40代の介護職の専門家、およそ30人の方々である。
資格のない私が語るには僭越すぎるのではないか。

でも、仕事を離れれば皆さん、高齢の親を持つ世代でもある。
そこでもう一歩踏み込んで議題を絞り込むことにした。

この過程で、先方が何を求めているのかを理解した。
あの事件のことだ…。
ならば私が喋るしかないのだろう。

その前に、もう話しても問題はないかをネットで調べてみた。
当時は世間の話題にもなり、2ちゃんに板も立った。
慎重に、それこそ重箱の隅の隅まで調べたが、世間というやつは健忘症の連中ばかりで、記事は残ってはいるが、検索ワードで当事者の名前さえ入れなければ出ないことを確認した。

内容は悲惨なもので、私の親しい男友だちが、認知症の進んだ実の母の首を絞めて殺害し、自らは縊死したというもの。
これ以上を詳細すれば、検索で判明してしまうので書かぬ。

話の内容は決まった。
なぜこのような事件になってしまったかを時系列で説明し、当時のやり取りの中でSOSが発信されていることに気づかなかった自責と反省を述べた。

武勇伝は鼻持ちならぬが、失敗談は何かしらの役に立つ、というより印象に残る。

彼の母は90代、彼は50代独身、典型的な老壮介護で、仕事を持ちながらの介護の愚痴や、時折見せるポジティブな言葉に、こちらも油断していた。

身寄りといえば、山間地に暮らす、こちらも独身の従兄しかなく、その従兄は私の友人でもあった。
だから私も含め、三人で会った時には、それぞれの老後の話題なども話し合っていた。

当然、愚痴や悩みも直接聞いていた。
「順送りだそんなこと、誰でも通る道だ」
と、そこは気安い者同士で、地域包括センターに相談しろと突き放し、大したこととも思わなかった。

職場では数人の部下を持つ大の大人なのだ。
幼児に懇切丁寧に説明するようなことではない。
ただし、私には多少の知識や体験の蓄積があったので、困った時はメールくれと、その程度で話を切り上げた。

気分を変えるためにブログでも始めろと、半ば強引に開設させた。
すると自らの趣味を発信し始め、たまには時事問題などにも言及したりして、どんどんブログにのめり込んでいき、こちらも閲覧しては、ああ順調に日々を送っているんだなと安心(油断)していた。

認知症の実母の話題もたまにアップされていて、骨折した母を気遣い、玄関をスロープに改造したことなどもネタのひとつになっていたし、メールも直接貰った。

包括センターや事業所との連携も順調そうに映ったし、こちらも内心では、母親も数年の内には往生するだろうから、その後は定年退職まで趣味三昧できるな、早期退職しても、退職金を少しずつ取り崩しながら年金受給年齢まで頑張れるなと、逆に羨ましくもあった。

しかし結果は正反対に転んだ。
介護職にいて、日々利用者さんと接していても、SOSに気づかないことがある。
そのことを伝えた。

画像
私の持ち時間は、午前中は11時から正午前まで、午後は1時から45分。

もし時間が余れば、どこかの国会議員のように般若心経でもひとくさり唱えようと思ったが、質疑応答を交えながら進めたら、足りないくらいだった。

質問責めだったが、すべて丁寧にお応えしたつもりである。

親を殺めたり自死などはそもそも人間として論外の所業だが、その論外を防ぐヒントの一助になれば今年も訪れた意義もあるかと、自分を慰めてみる。

拙ブログを初期の頃から閲覧されている勘の鋭いお方はおわかりになるだろうが、あくまでここだけの話である。

話は1時45分でいったん切り上げた。
2時46分や津波到来の時刻に合わせ、それぞれの方が黙祷する場所へ帰られる。

後は3時過ぎから他の方のお話で、残られる方は半数になった。
会合は5時近くにお開きになった。

前日に前乗りして、今夜はこのまま帰京するつもりでいたが、前日に「ホテル取ってあります」で今日の帰宅は断念。
今年もご厚意に甘える結果となった。

夕食は福島産の魚介類を提供するお店に連れて行って頂いた。
東京では、福島産の表示で売るスーパーなどほんの一握りである。

お米だって、福島産にお目に掛かることはない。
だから福島のお米を食べようと思えば、「国産米」表示のお米を求めるようになった。

ブレンドされた「国産米」には、ほぼ必ずといっていいほど福島産のお米が入っている。
そうしなければ売れないのだ。

そろそろホテルに引き上げようとしたら、
「このほうれい線が目に入らぬか」
と迫られ、もう一軒お付き合いした。

marikoさん、あの日から7年だもんねえ。
人のこと言えないけど、こっちも立派なじじいに片足突っ込んでいるし、そう考えると、ほうれい線見せられたら、ははーっと平伏し、御意、と答えるしかないのである。

震災関連以外の話をするのは初めてだった。
現在は周回の位相途上のような月日なのか。

ほうれい線が消える若返りの仙薬でもあれば探しに行きます。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 22
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた 驚いた 驚いた
ナイス ナイス ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)
面白い 面白い
かわいい

コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
今年もご無理をお願いして申し訳ありませんでした。お久しぶりにお会いして、不覚にもお見苦しい醜態をお見せした事、お許し下さい。自分でも訳の分からない涙に戸惑いました。

圧倒的なリクエストが今年もあったので来年もお願いしたいのですが、これもご無理でしょうね。無理に無理を重ねて、新たなNPO立ち上げの際の顧問の件もご再考をお願いしたいところです。よろしくお願い致します。

ほうれい線が消える若返りの仙薬、来年は是非とも頂戴したいです。
本当に本当に有難うございました。
mariko
2018/03/15 18:33
時雨亭さんは、講演も為さる
凄い方なのですねφ(..)メモメモ

>ほうれい線が消える若返りの仙薬でもあれば探しに行きます。
 
 見つかったら少し分けて下さいませんか?
 宜しくお願いします(^^♪

みなと
2018/03/15 21:50
marikoさま、おはようございます。
お世話になりました。
笹かまのお土産と牛タン弁当の差し入れも
美味しく頂きました。

気持ちは変わりませんが、
詳細はメールにて詰めましょう。
時雨亭
2018/03/16 08:49
みなとさん、おはようございます。
若返りの仙薬を見つけたら、
真っ先にお届けしますね。

登山で活躍されていた頃まで若返りましょう!
(*^^)v
時雨亭
2018/03/16 08:53
多くの方から求められ、質問攻めに会う。
こんな講演会に巡り合いたいものです。

ボクなんか、たまに聴く講演会は、ただ 眠いだけで、質問も1個もでてきません。
しょうがなく、事務局が一つ質問してお茶を濁してます。

質疑応答で時間オーバーになる講演、ぜひ聴いてみたいものです。
事前に十分に打ち合わせを行う 主催者の皆さんも一体となった素敵な講演会だったのでしょう。

新参者ですが、時々、過去ブログも覗かせてくださいね。
ストーカーにはなりませんから。
時雨亭さん←ひま爺イヴ
2018/03/18 09:25
人見知りなので必死のおしゃべりでした。
多分もうお受けしません。

過去の記事は生意気で、読み返しても赤面です。
中高年、それも同性のストーカーは画期的です。
話半分で読んでください。
時雨亭
2018/03/18 20:12

コメントする help

ニックネーム
本 文
このほうれい線が目に入らぬか 時雨亭往還/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる