鈍感力


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東京駅構内を移動中にメールが届き、すぐに返信すべき内容だったので通路の隅へ移動、邪魔にならぬよう柱の蔭で打っていた。
トランプ来日の余波で、昨日あたりからコインロッカーが封鎖され、荷物を持て余している人が多い。

そんな一人だろう、キャリーバッグのスライドハンドルを目一杯伸ばして片手で引きずるばあさんが近づいて来た。
目一杯だから小型のリヤカーを曳いているのと同じ感覚でキョロキョロしている。

牽引車両が曲がる時は通常よりも大きな内輪差が生じる、これ当たり前。
ちょっとヤバいなと思って咄嗟に足を引っ込めたが間に合わず、案の定、つま先を轢かれた。

あ~あ、やっぱ轢かれたよ、と見送ったが特別どうこう思うこともなく、何事もなかったようにメールを打ち続けた。
でもさすがにばあさんは気づいたようで、振り向いて軽く頭を下げ、すみませんと小声で詫びた。
釣られてこちらも、気にしないでもいいですよ、の気持ちを軽い会釈で返した。
歳を取るということは、様々な事象に鈍感になって行くということなのだろう。

ところで困ったことに、このばあさん、どう見ても私より若い。
かなり複雑な心境…。


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新橋まで出てゆりかもめに揺られながらつらつら考えれば、最大限に伸ばしたキャリーバッグだから、そちらにも気を配りつつ歩くべきだろうね。

こんなことはどこでも日常茶飯事。
いちいち気にして怒っていたら社会の一員として生きて行けない。
でも左のお姉さん、スライドハンドル伸ばし過ぎだよね。

フェラガモでも履いていたら、また違ったかなとも考えたが、いずれにせよ、使い始めたその瞬間からすべての物は中古品と呼ばれるようになる当たり前を受け入れる。

それにしてもコインロッカーが使えないと不便だし邪魔くさい。
おまけに連日の30度超えで、5月の東京はすでに灼熱地獄のような猛暑だ。
地球温暖化を認めようとしないトランプも、この暑さは辛かろう。


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4月の半ば頃のこと、バスでJR中央線の武蔵小金井駅北口へ出た。
降りて歩行者専用の信号を渡った。

考え事をしていたので気にも留めなかったが、正面から高齢の女性がダブルストックのノルディックウオーキング、いわゆる2本杖で歩いて来て、横断歩道を渡り始めた。
信号は点滅を始めている。

すると同じバスから降りたであろう、新品の制服を着た高校生(たぶん新入生)の男の子が振り返り、信号の青延長ボタンを押して、女性が渡り切るまで見守った。
当然私も立ち止まって見ていたわけで、偉いなあと思いながら自らの鈍感力を噛み締めた。

戻って地図を確認したら、武蔵小金井駅の北に某私立大の付属高校を見つけた。
たぶんその学校の生徒だったのだろう。
瞬時に反応できる行為は、親や家族の生き方をしっかり見て育ったからと見当をつけた。


渋谷などに集まり騒ぐ一部の若者は、集団の混乱に乗じて匿名性を獲得したと勘違いし、時に凶暴性を帯びるが、個に戻ればきっと良い子たちなのだろう。
若さゆえの暴走は誰にでも思い当たることだ。



元気が出ない時は、この動画を観て元気を貰うことにしている。
京都橘高校のOBやOGで、中に一人、ノリの良いとびきりの笑顔の子がいて、いつも癒されている。
ネットでは「木琴ちゃん」の愛称でかなり有名らしいが、本当に音楽を楽しんでいる姿に、こちらまで楽しくなる。




鈍感力を自覚したら、中高年は少しは大人しく暮らすべきだと思う。
根拠は希薄だが、これからの日本は大丈夫だとも思う。



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