社会の底辺に滑り落ちる恐怖


年上の友人が年金の繰り上げ受給の手続きをするというので、参考のために同行させてもらい、年金事務所へ行った。
職員は皆、私の年金統合処理の時の尊大さとは違い、こちらが引くほどの低姿勢で、これも個人情報漏れの為せる結果か、はたまた自分の給料がどこから出ているのかを、やっとこさ自覚したのだろうか。
いやいや油断はできない。
セキュリティの甘さと同様、この態度も慇懃無礼と見えないこともない。

さて、訪れてみるとすでに8人、141分の待ち時間表示を見て、あきれるやら驚くやらで途方に暮れた。
友人も自分で試算(概算)した受給額の低さの驚きと絶望を含め、黄昏てしまった。

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長い長い待ち時間の間に、友人が受給するだろう額を教えてくれた。
私も彼とほぼ同様の職歴である。
よって、我が身の年金受給額もこの程度なのかと激しく落ち込んだ。
もちろん、年金だけで暮らせるわけもなく、毎日、毎月、毎年、大赤字である。

大赤字分を補てんするには預貯金の切り崩ししかないのだが、マイナンバー制度が始まったことで、三大メガバンクに分散している一億、信託で運用している二億、評価額がおよそ三億の持ち株などがお上にバレてしまうのである。
でも、宝くじで当てたタンス預金の五億はナイショにして置こう…。
と、言ってみたいものだ。

ああ、ずっとサラリーマンを続けて、厚生年金の他に企業年金も納めたかった。
と愚痴っても、もう手遅れである。

若い頃からつい最近まで、年金のことなどほとんど考えたことなどなかった。
毎年毎年、律儀に高額の国民年金保険料を納め続けていても、今まで生活に支障がなかったから、植木等やムッシュかまやつさんではないが、高齢になっても「そのうち何とかなるだろう」とか「どうにかなるさ」と現実を見ていなかったのだ。
否、本当は想像するのが怖くて、敢えて目を背けていたとも言える。
要するに小心者なのだ。

結局のところ、生きるためには死ぬまで働き続けなければならないのだが、平均寿命と健康寿命は十年近くも違うと聞く。
一所懸命に働いて来た結果がこれなのか。

いったい何のためにこの歳まで頑張って来たのだろう。
自分が生きて来た意味や意義を全否定される気がするのは、被害妄想ではあるまい。

いずれ下流老人となって、死ぬまで現世を漂流するのだ。
友人に負けぬくらい、私も途方に暮れている。

ところで予想通り、またぞろマイナンバー詐欺が出現し始めた。
被害に遭われた方への補償は、お上が肩代わりして弁済してくれるわけもなく、やはり新制度に疎い人は泣き寝入りするしかないのだ。

国家が国民全員に背番号をつけて管理するなんて、何だか恐ろしい。
お上よ、もう弱者を翻弄愚弄するのはやめて頂きたい。


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