東京のラビリンス


新宿伊勢丹で買い物をして月島へ向かおうとした。
伊勢丹の地下は丸ノ内線新宿三丁目駅に直結している。
月島は有楽町線なので、さてどうしたものかと、「わし中年おやじはキライだもんね製服関係」の駅員に尋ねた。
『赤坂見附で乗り換え…』
いかにも面倒臭そうなタイドで、最後の『です』が小声で聞き取れなかった。
たった今、自動改札機でピンポンと鳴ってしまったきれいなお姉さんに、笑顔で優しい対応をしていたのをおじさんはシッカリ目撃しているのだ。
こちらはその会話が終わるのを待って「製服関係」に声を掛けたのだ。
この差は何だ!
(中年東京人をナメんなよ!)
と、大声で心の中で文句を申し述べ、猛省をうながした。

都心の地下にはクモの巣のように地下鉄網が張りめぐらされている。
それらすべての乗り換えを熟知してる人なんかほとんどいないと思うのだが…。
でもこんなこと東京人なら知ってて当たり前なんだろうな。
だから東京の中年おやじと思われなかったのだろう。
それでもおじさんは、なるほどなるほどとキップを買って丸ノ内線に乗り込んだのであった。

赤坂見附で下車し、案内表示に従って進んだ。
すると何故か半蔵門線のホームに出てしまった。
(おじさんは有楽町線に乗りたいんですけど…)

あれっ?

永田町駅だ。
戸惑いつつも表示通りに歩くと半蔵門線ホームの端っこから端っこまで歩いてしまった。
そしてようやく有楽町線のホームにたどり着いた。
こちらのホームも永田町駅だった。
賢明なおじさんは気付いた。
ひと駅分を歩かされてしまったのだ。
おのれ「わし中年おやじはキライだもんね製服関係」駅員め!
罠にハメられた…。
おじさんは歩くためにキップ買ったんじゃないぞ!

ここでやっと思い出した。
都営新宿線に新宿三丁目駅があるじゃん!
深川の「森下」で乗り換えはあるものの、都営利用ならひと駅分も歩く必要なんてなかったのだ。
地下鉄業界では東京メトロVS都営地下鉄の構図があるのかも知れないが、ひと言、
『すぐそこに都営の新宿三丁目駅があります、そちらだと楽に行けますよ』
くらいの、助言及び優しさ及び中年への慈愛及び同胞へのいたわりなどというものがあってしかるべきではなかったか。
おじさんもきれいなお姉さんは好きだが、そしてその心情も判らぬではないが、やはり「わし中年おやじはキライだもんね製服関係」のヒトはいったん制服を装着すると、全面的に「わし中年おやじはキライだもんね」となってしまうのであろうか。
地下に穴ボコばかり掘って巨大迷路を造り、制服組織はおじさんを混乱させようとしているのであろうか。

帰りは月島から都営大江戸線で、平穏に乗り換えもなく新宿へ戻ったのでありました。

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東京メトロの路線図には都営の路線は表示されていない。
まあ「健康のためにひと駅分くらいは歩きなさい」という優しさだと、今回は受け止めておこう。

迷彩服の練馬コンバットの若い衆たちが、大江戸線で移動する映像をニュースで見たことがある。
大江戸線は都庁前も通っていることだし、ヒミツの場所に災害時の食料や毛布なども備蓄しているらしいので、一朝有事の際は有効な移動手段となるのだろう。
かなりの地中深くを走る理由もこの辺りにあるに違いない。
でもあまり深く掘り過ぎると、地底人と遭遇したりすることはないのだろうか。
いしいひさいち描くところの地底人は愛嬌があるが、H・G・ウェルズの「タイムマシン」に出て来るような地底人モーロックは怖い。

今回は東京のヒトにしか判らないであろう話題で済まぬ。
でもこんな内容で記事を一本仕立て上げてしまって良いのだろうか。
猛省。

付記。
新宿伊勢丹の地下には東京吉兆のセレクトショップ、7階には「正月屋吉兆」が出店しているが、トバッチリを受けてタイヘンなんだろうな。
おじさんとは一生縁がないだろうから関係ないけど…。



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