揚げ出し豆腐


Eテレの「NHK全国俳句大会」を横目に、夕食の下ごしらえをしていた。
いまいましい、どうして空腹になるのか。

外食や持ち帰り弁当に身を委ねたいが、それはそれで外出が面倒である。
いっそお腹が減らなければいいのにと思う。

そうすれば、食に関する一切の時間を他のことに回せるし、ダイエットの反復に一生を捧げずに済むぞ、そこのお姉さんやお嬢さんやお腹の出たおじさん。(あ、自分のことだ)

最先端の技術で、人間の皮膚の表面に葉緑素を埋め込むことは可能か。
水飲んでお天道様に当たって光合成して、それをエネルギーにするのである。

それで足りなきゃソーラーパネルを背負ってもいいし、炭水化物・たんぱく質・脂質の三大栄養素の詰まったカプセルでも飲んで補えばいい。

食べることが楽しみという人は多い。
食べなきゃ生きていけないから食べるのであって、その中から楽しみや生き甲斐や、敷衍して銭儲けなどの職業も成立する。

いずれ近い将来、地球規模で深刻な食糧危機が来るんだよ、確実に。
なのに大量に売れ残った恵方巻を廃棄するような、不遜な世の中を赦している社会の構図が不穏である。

だから葉緑素を身に纏い、人類はみんな緑色の人間になるのだ。
そうすれば肌の色なんかで差別や嫌悪や憎悪する意識も地球上から一掃される。

しかし人間ほど愚かな生き物はいないから、またぞろ新しい差別や憎悪をひねくり出すのだろう。
戦争は土地の奪い合い、資源の奪い合いである。


違う違う、こんなことを書く予定ではなかったのだ。
チラ見していた俳句大会について触れようと思っていたのだ。

選ばれた句はどれも素晴らしかった。
ムズカシイ言葉をこねくり回し、それを引っ付けたり分解したり、それが俳句っぽいよねと思っていた愚かな時期があって、俳句が仕掛けた底なし沼に溺れかけていた。

俳句って、日々の暮らしの中で、常に俳句脳を保持していなければ出て来ない。
訓練や鍛錬が必要なのはわかるけど、いつも献立脳、調理脳に固定されているから、切り替えも出来ないし、だからいまいましいのだと気づいた。

良かった、繋がった…。


以前俳句の、四合目から出発しましょ的な文庫本に触れたが、その続編である。
一合目からのスタートは面倒だと、数十年前に購入したが、いつも爆笑してしまう。

まだ食事も作り終えていないので、転記だけしてお茶を濁す。
素人の句が気に食わない某俳人の寸評が辛辣で笑える。


    舟底を叩く小波(さざなみ)夕涼し


小波は船べりを叩きます。大荒れの時に底からぶつかることで、夕涼しなどと澄ましてはいられません。


    毛虫いま世紀の脱皮色変えむ


意味がわかりませんが、ことに蛹になる前に、毛虫が抜け殻から出るならば大発見の新種で、これ一つで、作者は世界的昆虫学者になります。


    金魚屋の金魚は人の手に慣れて


こんな人懐っこい金魚がありますか。


    短日やのみより脆き石を割る


当然過ぎてつまらぬ事実。硬い道具だから、より軟らかいものを細工することができます。逆が成り立つならば、こんにゃくで大理石を彫刻することになります。


    定年期色づき落ちるみなし栗


実がないから、みなし栗、ない物が色づいたり、落ちたりしません。それともいがだけが落ちたのでしょうか。


    乾涸びし咽喉張り上げて残る虫


のどで鳴く秋の虫も、新種大発見です。


    飽くなき咀嚼金魚は無より糞生ず


金魚が、鮫のように歯で水を噛みます。そして水ばかり飲んで、よくも糞をひることができると感心しますが、それは作者の頭が足りないからです。


    窓のなき家今日も茄子を焼く


これはどんな建て方の家でしょう。


    蝶傷つけし猫へつばくろ襲いけり


ことに勇敢な、正義感強い燕ですが、いいかげんな作り事でした。


    唖蝉を鳴かし寡黙の反抗期


鳴かない雌の蝉を、どんなふうに鳴かせたか、これもいい加減な作り事です。


    芽草の黄燃えて水薬飲み量る


燃えるほどに黄色い草の芽は、何でしょう。下五は水薬を飲んだ後で、量る言い方は、残り分を量ったのですかしら。


    閨怨の夕べ湖畔に蛍追う


閨怨とは、夫の旅立ちで、妻が孤閨を嘆ずること。この妻は、そんな寂しい気分なく、外へ出て蛍狩りにはしゃいでいます。


    蕪村忌や大河の水跡輝けり


作者は蕪村の「大河」の句でも考えたのでしょう。中七以下は、大河が蒸発し、なめくじみたいに、跡が光っている表現。


    黒潮に犬が吠えつく日の盛り


沖を流れる黒潮を、犬がよく見分けたことです。いい加減な作り様です。


    灯にデモの羽蟻は蓑を捨てて恋


上五は比喩と見て許しても、中七以下、羽蟻は何も捨てません。


    梅雨の海地平線なし生き難し


海に地平線がないのは当然です。


    津軽なる海の霧氷に耐え難し


海上の樹氷は、何を想像させたいのか。


    生命が墳墓や空蝉の骸かろき


抜け殻がまた死んで、その死骸です。上五は何の意味ですか?


    大木を摑み甲羅のままの蝉


また蝉の句で、甲羅を背負っています。


    逃げまどう胎児絶叫銀の匙


胎内でまごまご逃げたり、死ぬほどの声を出します。この句は、悪い意味の前衛俳句を狙ったのでしょうか。



これでわずか数ページの転載。
こんな調子で延々とシニカルな寸評が続く。
添削はほとんどなし。

俳句に関心のない人でも、これらの句が、どこかおかしいぞと気付くレベルの出来でしょう。
それをムキになってこき下ろすのは、真実、俳句を愛する故なのか、単なるストレス発散なのかはわかりかねるが、寸評を超えた私憤に笑い疲れ、何だか寒々として来た。

NHKの俳句大会もジュニアの部など廃止してしまえば良い、大人の驕りや上から目線が鼻に付くから…。
一般に伍しても大人と同等か、それ以上の秀句が揃っていた。


画像
割に穏やかな日だったが、日差しが隠れるとやはり寒い。

寒い時には揚げ出し豆腐!

ちょっと上手くいったので、おっさんだってこのくらい作れるんだよと自慢してみたりなんかして…。

ばあさん用にいつも軟らかいもので攻めるのだが、結構失敗することも多い。

ところが今回は(見た目だけは)大成功。

本当は牡蠣鍋がメインなのだが、牡蠣は加熱すると購入時に比べて1/10に縮む。

白菜やらエノキやら豆腐の隙間で見え隠れする程度に縮小され、詐欺に遭ったような心持ちになるし、とても牡蠣鍋とは言いづらい。

だから野菜鍋を撮っても虚しいだけ。
牡蠣よ、もっと根性出して踏ん張れ!

未だ調理脳、食事脳のままである。
だからアレ食べたいコレ食べたいと、そんなことばかり考えている。

揚げ出し豆腐、インスタ(ブログ)映えしてる?

せっかくの盛り付けをぐちゃぐちゃに崩し、ばあさん食事中…。

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この記事へのコメント

2018年02月10日 22:05
俳句、短い言葉で成り立っていますが、それだけに むずかしそうです!
矛盾も出てきそう😣
時雨亭さんが、俳句を作られるときは、フッと 言葉が浮かんでくるのですか?そして、それを推敲?していかれるのですか?なんか、バカな質問ですかね😅

人は、どうして一日一回で、満足できるようにはなっていないのだろうか!と たまに思うことあります。身近なもので言うと 燃費の良い車のように!!
まぁ、私は、一日三度のご飯を 毎回、餌を前に ニャンニャンと食べる猫のように貪っている感じなので、楽しみも一日に三回ということで、結局、めでたしめでたし😅

おいしそうなおかずができましたねー!😋おろししょうがまで添えてあります!👍 ばあさま、お幸せ!!🌺😄
2018年02月10日 22:50
こんばんは!
俳句の列挙は大変参考になりました。
みなとも しそうな句ばかりでしたから<(_ _)>

>揚げ出し豆腐、インスタ(ブログ)映えしてる?

 ナイスですよ。
 お婆様が喜んで崩して食べて居るのが
 浮かびますよ (笑)
時雨亭
2018年02月11日 10:30
わらびさん、こんにちは。
私は初案のみで推敲はしません。ズブの素人の所以です。
俳句と真剣に向き合っている方は、季語は動かないか(他の季語でも代用できるか)とか、類相、類似句はすでに存在しているかとか色々調べて完成させています。そこが尊敬に値するのですね。
私なんざあ、ほったらかしですから「ちょこっと俳句に関心があります」程度の超初心者で、俳句を嗜む方々の風上にも置けない阿呆なのです。
でも記事の中の「閨怨の」句は、ホタルを亡夫に重ねているとも想像できるので、あの寸評は読み込み不足だと思いました。
鑑賞者は想像を膨らませて作者の意図や句の背景までも味わうべきで、「追う」は適切ではないにしても、あそこまでこき下ろすと、俳句はそんなに偉いのかい?と反感も湧きます。

私は食事が面倒で一日一食、ということが頻繁にあります。
お腹が減らないのに何で食べなきゃいけないの?と、不摂生の日々です。
時雨亭
2018年02月11日 10:40
みなとさん、こんにちは。
頭でこねくり回した句ばかりだから、
某俳人も腹に据えかねたのでしょう。(笑)
暮らしに寄り添ったみなとさんの句からは、
潮の香、土の温もり、雪の感触、風の行方、
などが直截に伝わって来ます。
その皮膚感覚や感性に魅かれますし、
何度も鑑賞したくなる、拙い私のお手本です。

揚げ出し豆腐、味もバッチリでした。
みなとさんにもお届けしたくなる出来栄えでした。
自画自賛。でも冷めて凍っちゃいますね。(^^ゞ
美代子
2018年10月23日 20:20
 ああ、何度かこの頁にお邪魔しては爆笑しましたが、この寸評を書いてる人は、ひょっとして、M大のあの先生かなと想像しています。いつか、お友達のブログで喧嘩してしまった人です。多分。笑。
 いくら何でも、こんなにストレートに書く人はあの人くらいしかいません。笑。以前に、あの先生のブログにお邪魔したら、もっと酷いこと書いてましたので、爆笑してしまいました。「お前の句はなんだ」というので、「あなたの句はもっと変ですよ」と書いたら、怒ってましたよ。楽しかったです。失礼しました。
時雨亭
2018年10月25日 19:33
 著者に関しては昨年の12月13日に触れているので、そちらをご覧頂くとして、立冬前に、もう一度、この奇書に触れようと考えていました。でも最近は時間が取れずに難儀しているところです。その触りを少々。


  <角封に慕情激しき春の雨>
  <梅雨に身を委ねし無言虚無の中>
 西洋封筒に入れたラブレター、と妙な事を持ちだし、慕情切々たるを訴えます。傍から見れば珍妙な姿でした。後句前半は、妙に力を入れすぎ、下五で更にそれを強調します。両句共ドギツく誇張しています。

  <からす瓜虚空の恋の爛熟す>
 烏瓜が赤くぶら下がっていることでした。作者は「虚空の恋」の語に得意であるらしく、「恋が爛熟す」でもそうらしく思えます。結局こけ威かしの、からっぽな言葉の羅列に終わりました。

  <肉となる話もゆかし土用餅>
 読み出して、下劣卑わいな話かと驚いてみると、それが床しいとなる。おやと思って深刻に考えた挙句、土用餅を食えば肥る、それで土用餅が筋肉になることと合点しました。そんな話が何で奥床しいことでしょう。そして言葉つきは非常に偏頗に粗雑でした。

  <道暮れて山吹の黄が胃にしみる>
 花の黄色に打たれたことは宜しいとして、的確に胃袋にしみたといいますが、実はその的確さがトンチンカンでした。作者は余程腹がへっていて、山吹の花を見て、食えるかと腹の虫が鳴いたのかもしれません。


 これでもかなり控え目(笑)の批評で、元気や笑が欲しい時、たまに広げて楽しんでいます。著者も楽しみながら素人の駄句をディスっているように思われます。(笑)
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