春のタケノコ


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タケノコの美味しい季節である。
剣スコで狙いを定めてエイヤっと掘り起こせば、何とも重量感のある大物を掘り上げることが出来る。

旬の筍である。
竹かんむりに旬でタケノコと読ませるのだから、旬とはまさにこのことを指すのだなあと感じ入る。

タケノコのフルコースをどのように味わおうかと思案する時間は楽しい。
掘り立てならば刺身も可能だし、あれもこれもと献立が浮かぶ。

しかしこのタケノコ、俳句では夏の季語とされていて、今の時期は「春の筍」と7音を使わなければいけない。

まだ立夏には遠い(今年は5月5日)のに、旧暦新暦の時差を考慮しても納得がいかないのだ。

それでも有季俳句の約束事だから、従わなければいけない。
窮屈だなとは思っても、こんなことも伝統なのだ。


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ややこしいのはタケノコばかりではない。
成長した竹だって同様なのだ。

以前にも触れた(参照 竹を活けてみました)ので簡単に済ませるが、「竹の春」は秋の季語で、「竹植う」は夏の季語になる。
これで安心してはいけない。

植えるのが夏なのは納得しよう。
しかし「竹落葉」も「竹の皮散る」も同じく夏の季語なのは困る。
おまけに「竹の花」は秋なのである。

もっとも、竹の成長する様子を見れば理解できぬでもない。
若竹が伸びるにしたがって、古い皮が剥がれるからだ。
だから「竹の皮脱ぐ」も「竹の皮散る」と同様に用いられている。

皮はいで竹おどろきし青さかな   滝けん輔

ややこしいので、竹関係及びその周辺の作句はなかなか難しいものだが、実際に掘り起こしたタケノコを見ると、歳時記に載ったいくつかの句を思い出す。

たかんなや日当に出し顔さびし   岸田稚魚

碧潭の上筍を掘る音す   内藤吐夫

筍の秤したゝかに上りけり   木国

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刺身の次は、焚いて薄味の煮物にし、そこへ木の芽を添えると上品さが際立つ。

田楽もよし、タケノコご飯にタケノコの天ぷらも美味しい。

根に近い硬い部分はおろし金で擂りおろし、同じく擂ったむき海老や山芋や片栗粉なんぞと混ぜてつみれやしんじょうや揚げ物にすると、もうたまらない。

豪快に焚き火で焼いても熾火に埋めそのまま蒸し焼きにしても、遠赤外線効果の焼き上がりの皮を剥けば、香りも立ちほくほくして法悦の春の味である。
もちろん、ホイル焼きでも問題ない。

筍を三日くらひて飽かざりき   石田波郷

おあとがよろしいようで。



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