朝寝朝湯は幸せなのだ


自宅で寝ていると、深夜でも車の走行音や、遠く救急車のサイレンや、通りを歩く人たちの会話など、さまざまな音が聞こえる。
ところがここではまったく音がなく、世界は「無音」に満ちている。


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何を見たのか覚えていないが、どうもかなり重い夢を見たようで、心ばかりではなく、目覚めは体まで重かった。
時計を見ればまだ早朝の四時。
それでも、枕元の東側の障子が明るくなり始めている。
起き上がってお茶を飲んだが、寝相が悪いせいか、浴衣がはだけてズルズルと畳を引きずっている。
情けない。


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温泉宿の楽しみは、何といっても朝風呂だ。
湯口からコンコンと湧くお湯の音が、唯一、静寂の中で浴室に響く。
ゆっくり体を沈めれば、体や心の重さがお湯に溶け出て、次第に神経が覚醒して行くのが分かる。、
法悦とはこのことかと思う。
耳を澄ませば、鳥のさえずりが聴こえ始めている。


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湯上りに、森閑としたロビーのソファに腰を据え、熱いコーヒーを飲む。
こんなに神経が解放されたのは久し振りで、やはり日々の生活に追われていると、たまにはこうして非日常を体験するのも必要だと感じた。


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外の風景も、夜明けの静寂と共に鮮明になる。
ちょっと鼻歌でも出て来そうな気分。
いつの間にか、わずかな霧が朝露になって地上に降り、辺りに緑の匂いを発散させている。
今日も晴れるようだ。

 


 Milky Way

          Milky Way


  Tea time 夜明けまでまだ少し
  霧の中 ちょいと落ち着いた気分

  Sweet heart 君の瞳を見せて
  これからさ ちょいと甘いSerenade

      Milky way 消え残る空の果て
      霧も晴れて ちょいと踊りたい気分

  Early rising 小鳥たちの歌を聴いて
  去年よりは ずっとずっと幸せ




三人で新しいバンドらしきものを結成して、オリジナル曲を作らなければと、無理やりひねり出した曲だったと記憶している。
だからもう35年近く昔の曲だ。
ずいぶん古い曲で、「ああ、こんな曲も演ったな」と思い出すが、出来も悪いし、古過ぎてこれといった感慨もない。
覚えていることといえば、三人編成では何か物足りず、やがて親友となる友人に、ドラムとして参加して貰ったこと。
この時期に、初めて彼と出会った。
そしてドラムが加わった音源。
歌が下手な私は、相変わらずベースとコーラスを担当。

 


 Milky Way 2


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二杯目のコーヒーを飲み終えて部屋に戻った。
雪見障子を上げて外光を取り込み、また蒲団に横になって二度寝を試みる。
すぐにうつらうつらとまどろんだ。
本格的に眠る気になれば、とめどなく眠れそうな予感がある。
それだけ疲れが溜まっていたのだろう。
浅い眠りの中で、夢と現実の間をさまよっている感覚。
同時に、日常モードのスイッチが、やっと非日常に切り替わった。
充分にリラックスしている自分がいる。


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食堂は天井が高く、清潔で開放的。
この時間、職場では一番忙しいだろうと、ちょっと申し訳ない。


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お約束の写真を一枚。
朝マックやコンビニのサンドウィッチではない朝食は久し振り。
食後は、ここでまたのんびりとコーヒーを飲む。
あまりにリラックスし過ぎて、時を忘れてしまう。


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チェックアウト時間ぎりぎりまで居るつもりなので、また温泉に浸かる。
こうして昨日から何度も浴室に行ったのだが、最後まで私一人の貸し切り状態だった。
贅沢なことだ。

後は帰るのみ。
明日も休みを取っているので、自宅でゆっくり過ごそうとの予定。
だが待てよ、それならばもう一泊してしまおうかと思い直した。
相棒に連絡を入れると、「そうやって、キミは一生、温泉三昧してなさいね」のお言葉。
一生ここに滞在するのも退屈だから、「じゃ、一週間は出社拒否するぞ」と返したら、それは困るという。
勝手な奴だ。

フロントでその旨を伝えると、部屋はたくさん空きがあるとのことで、簡単に決まってしまった。
これも風評被害の為せるせいか。
とにかく、ここでもう一泊することが決定した。
要するに、日常スイッチが完全にOFFになったということだ。
こうなれば、とことん休みを楽しもうとの気分になった。


続く。



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