東京やなぎ句会


楽しみにしていた「東京やなぎ句会」に行って来ました。
宗匠の入船亭扇橋師匠を始め、小三治師匠、永六輔さん、小沢昭一さん、加藤武さんなど、舞台上には大好きな方々ばかりです。
今回は吉行和子さん、冨士眞奈美さんが涼しげな浴衣姿で登場。
吉行さんはいつもながらの美貌で、私の胸をギュッとつかみます。
冨士さんも今でも充分にお美しいのですが、若い頃の美しさは天下一品、そのエキゾチックなお顔は脳裏に深く焼き付いています。
それでもとにかく残念なのは、ここに岸田今日子さんがいらっしゃらないことです。
悲しみが癒えることはないでしょうが、冨士さんもお元気そうで安心しました。
この句会では、江國滋さんも神吉拓郎さんも鬼籍に入られて寂しくなりましたね。

盃に夜が溶けゆく志ん生忌  滋酔郎

もしかしてこのしづけさは夜の雪  同


滋酔郎は江國さんの俳号。
江國さんの作品の中でも大好きな句でした。

もっと好きなのは変哲こと小沢昭一さんの句。
東京やなぎ句会とは関係ないものもありますが、数々の不朽の名句が思い出されます。

スケートや今転びしは宮殿下  変哲

校長満悦洋裁学校潮干狩  同

きのう餅二臼ついたサロンパス  同

閉経の妻と散歩す鰯雲  同


遊び心や軽みも俳句の魅力だと判ります。
でも再度読み返してみると、ペーソスや人生の機微がごく自然に伝わって来ますから、今さらながら俳句の奥深さに気付かされます。
そして今回も小沢さんのハーモニカが聴けて大満足です。
事情があって数年前に移してしまいましたが、我が家の墓所は小沢家のほぼ正面にありました。
その意味ではご近所さんだったので、小沢さんにはとても親近感が湧くのです。
縁もゆかりもありませんが、墓参のたびに合掌させていただいていました。

米朝師匠はご健在ですが、ご高齢ゆえ、もうご登場を願うのは無理でしょうか。
そんな中で、今回はやはり窓鳥こと吉行さんの句が秀逸でした。

夕立やずっと一緒にいたいわね  窓鳥

俳句の達人たちが名句を揃えて居並ぶ中、本当に素晴らしい句でした。

舌耕の小沢昭一さん、話芸の名人扇橋師匠、小三治師匠、そして話術の練達さんたちが居並ぶ中でも、永さんが時折発揮する、仕切りならぬ交通整理が見事でした。
永さん好きが高じて、どうしても贔屓目になってしまうからでしょうかね。

余談ですが、東京やなぎ句会には会則があり、つとに有名な第九条第三項を記して終わりにしましょう。
憲法九条に遜色のない、立派な文言です。

以下に該当する者は即刻除名する。
(1) 会則に違反した者
(2) 書記嬢に手を出した者
(3) 句友の女に手を出した者


未だ除名者は出ていらっしゃらないようです。



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この記事へのコメント

H
2009年04月19日 19:17
いい文ですね。気配りがあって軽妙で。岸田さんはご病気ですか。校長満悦と夕立やが特に好きです。
管理人
2009年04月20日 18:42
個人的には変哲氏の句が大好きです。
「春眠を孫にふんずけられており」
「足の蚊を足で打ちつつ長電話」
「菫など咲かせやがって市役所め」
などは川柳かとも思わせますが、立派な俳句になっています。
他にも巧いと思うのは、
「梅雨寒の宿の将棋は駒不足」
「畦にどっこいしょ浅間の山と俺」
こんな句を出されると、もうこちらはただ唸るだけです。
2009年04月22日 21:08
 そんな句集はどこで求めることが出来るのでしょうか。トイレにおいてゲラゲラ笑いながら用を足したいと思います。
管理人
2009年04月23日 08:32
出典は以下のものからパクリました。
「句あれば楽あり」朝日文庫
「俳句武者修行」同
「句集 変哲」三月書房
以上は小沢昭一著ですが、江國滋さんの「俳句とあそぶ法」朝日文庫、などには「校長満悦…」その他の変哲句の誕生秘話などが載っていて楽しめます。
きらら
2009年05月06日 09:30
連休後半は今日も雨 (+_+)
そこで昨日本屋さんで『句あれば楽あり』を探して帰って、昨夜読みました。
『秋風やこの橋俺と同い年』
が良かったです。
さすが自薦にしぼっただけありますね。感心しました。
私のようなしろうとでも楽しめる俳句入門的な本があったら、ぜひ教えてください♪
管理人
2009年05月07日 20:23
「秋風や…」の句は素晴らしいです。「句あれば楽あり」の中では、
「熱燗やいやな仕事もやらざれば」
「餅搗きや爺っちゃ止めとけほうれみろ」
「人はみな食って生きてる夏の雲」
「椋鳥と浅草にいてハハのんきだね」
「楚々たる日傘追い抜きて落胆」
など、変哲師の軽みがいいですね。

俳句入門書はうんざりするくらい多く出ていますが、名句などは歳時記で簡単に見ることが出来ます。
俳人ではなく、素人の無季俳句を集めた永六輔編の「一言絶句」(知恵の森文庫)が気に入ってます。
「続柄を毒と誤記した妻を持つ」
「母ちゃん家出して帰って来て風呂に入る」
「父の背で眠ったふりの帰り道」
「あの男畳の上で死ねたとか」
「誰も知らない死に水の味」
「火葬場の灯も村の灯の一つ」
「献体の女の手首に恋の傷」
「粉骨のあげくの散骨」
「顔は洗ってもキレイにはならない」
「暗がりでマネキンの服を脱がせる」
「無駄な抵抗はやめない」
等々、個人的趣味です、コレ。
どうも入門書は歳時記が無難なようです。
きらら
2009年05月09日 18:36
「おかめそばひょっとこ口で吹いて食い」
小沢昭一さんのお父様が詠んだ川柳がいいですね。
無季俳句も川柳に通じるんでしょうね♪
管理人
2009年05月10日 08:52
「本妻のほうが美人で不思議なり」
という川柳もありましたね。
自由律も無季も川柳も短歌も都都逸も回文も、言葉で遊ぶのは日本が世界に誇れる素晴らしい文化です。
俳句に興味を持たれたご様子で、何だかとても嬉しくなりました。
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