かわず飛び込むお湯の音


露天風呂に身を投げるカエルがいます。
お湯はオーバーフローで流れるので、排水口に引っ掛かって浮いています。
『カエルもつらいことがあったんだなあ』
宿の主人が感慨深げに言いました。
茹だったカエルさんと落ち葉を始末し、ご覧の通りきれいになりました。

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仁成館の「売り」はやはり露天風呂だろう。
この温泉と、湯船からの景観を目的に来る人は多い。
混浴(内湯は男女別)も貴重である。
時間制で男女を分けて欲しいとの要望もあるが、誰でも好きな時間に入浴できる状態が理想と考えているので、理解と強力をお願いしている。
もちろん貸し切りも無い。
そのために、女性には無料でバスタオルをお貸ししている。
混浴を承知で水着持参の女性もいれば、温泉はやはりスッポンポンでなければ、という堂々とした女性もいらっしゃる。
その志は潔い。
ところが男性は概して情けない。
以前、私独りで露天風呂を堪能していたら、そこへたぶん同世代の女性が入って来た。
露天への扉が開く音に、一瞬だけ振り返って確認した。
もういけない。
背後に入浴の気配を感じながら、ずっと景色ばかりを眺めていた。
そのうちノボセて来た。
顔を背けながら、手拭いでちょいと前を隠して上がってしまえば良いのだが、それがどうしても出来ない。
出たいのに出られない。
脱衣所は女性の背後にある。
その脱衣所が月までの距離ほど遠い。
こうなると根比べである。
景色どころではなかった。
そして勝った。
勝利するまで30分は費やしただろう。
湯から上がる女性の気配を感じながら、ヘトヘトになった。
混浴もつらいのである。

女性にはバスタオルを出すが、中には男性から要求されたこともあった。
それも一度や二度ではない。
断る理由もないので貸したが、欲しがるのは大体は男女のグループの男性陣だ。

そうか、あんた初めから混浴するつもりで来たんだねっ。

気持ちは解らないでもないが、後でバスタオルを洗濯するのはこちらだ。
少しでも枚数の少ない方が良い。
でもやはり、こちらのそんな都合は顔や態度には出さない。
そして内心で力いっぱい思う。
(そんなに混浴したいのかよ!)
(手拭いで隠し切れないほどのリッパな道具持ってんのかよ!)
(そんなこっちゃ男らしくないって嫌われるぞ!)
自分の小心も忘れて胸で毒づく。

毎日入浴するが、いつも内湯を利用していた。
年間の半分近く滞在していながら、露天は一度しか入らない年もあった。
通になると、あの熱い内湯が大好きになるのである。

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ところで保健所は、
『混浴はダメ』
と言う。
あんたたちだって混浴は好きだろうに。
建前で強がってはいけません。

混浴は文化である。



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この記事へのコメント

ほっこり
2018年02月17日 12:08
今シーズンは暖房費が嵩んで厳しいです。
混浴でも温泉入りたいです。
おばさんのスッポンポンで良ければ見せますっ!
(*^^)v
時雨亭
2018年02月17日 20:46
ほっこりさん、こんばんは。
温泉入りたいですねえ。
ウチも暖房費ハンパないです。(:_;)
見せなくていいですっ! (ーー゛)
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