援軍


もっきりやの長谷川さんが応援に駆け付けてくれました。
チャンピォンベルトではありません。
腰痛矯正ベルトなのです。
彼はお経も上げれば落語も一席うかがうという、何とも形容しがたい味わいのある人物で話題も多彩、和山には欠くべからざる人なのです。

画像

住まいが対岸なので、応援をお願いすると自分の用事もそこそこに駆け付けてくれた。
どれほど助けられたことか、感謝の言葉もない。
お客さんの中には仁成館の人間と勘違いする人もいたようだ。
大体の人は彼を「仙人」と呼ぶ。
仙人的な暮らしはしていないのだが、何故かそういうことになっている。
姓が長谷川なので、主人は「平さん」と呼ぶ。
これは鬼平から来ている。
私は「おじさん」と呼んだ。
彼は私を「アンタ」と呼んだ。
アンタ呼ばわりされる覚えはないのだが…。


鬼平の字面を見て百鬼園を思い出した。
百鬼園先生の随筆を少しアレンジしてみる。

旅人が三人、仁成館に泊まりに来た。
三人は誰でも良いのだが、まあ、仮に「よっちゃん」、「毒太くん」、そして「おタミちゃん」ということにしておこう。
一泊税込み一人11,700円のところ、懐の寂しい三人は女将との交渉で一人1万円ちょうどで泊まることが許された。

「慶賀である」
よっちゃんは喜んだ。
「そりゃ悪いなあ」
常識ある毒太くんは恐縮した。
年増のおタミちゃんは無関心である。
飲めや歌えの夜が更けてやがて朝になった。

「これこれそこのちょこざいな番頭よ、そろそろ出立するから精算してくれたまえ」
よっちゃんが番頭に命じた。
番頭は三人分の三万円を受け取り、帳場の女将へ持って行った。
「あの人たち持ち合わせが少なそうで可哀想だから、五千円おまけしてあげましょう」

女将から五千円を渡された番頭は三人の部屋へ向かった。
(あんなに偉そうにしてたのに、まけてあげることはないんじゃない?)
ここで番頭は悪心を起こした。
(三人じゃ割り切れないから、三千円だけ返せばよかんべさ)
番頭はちゃっかり二千円をネコババしてしまった。
悪い奴である。

一方、三千円戻ったよっちゃんはご機嫌である。
一人一泊九千円で泊まった訳だ。
「すみませんねえ」
毒太くんはまた恐縮する。
「これが人徳というものなのだよ毒太くん」
よっちゃんは鷹揚に言った。
おタミちゃんは相変わらず無関心である。

さて、話はここからである。
一人九千円だから三人で二万七千円を支払った。
番頭は二千円を懐へ入れた。
合わせて二万九千円だ。
千円はどこへ消えてしまったのか。

解る人は一瞬で理解する。
解らない人はいつまでも考え続けよう。



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この記事へのコメント

ドクター
2007年08月14日 20:56
女将から渡された5千円がミソですね。
3万円-宿賃2万7千円=3千円。
番頭さん利益2千円。あわせて5千円なり。
楽しい数字のマジックですね。
「百鬼園随筆」ちょっと面白そう。
近い内に読んでみま~す。番頭さんぞくぞく
アップしてますね。楽しみにしていますよ。
番頭
2007年08月23日 06:15
プレッシャーです。
楽しみにしないで下さい。
2018年03月23日 21:27
旅館代は、25000円支払い
おつりの5000円の内から最初の値引き分3000円とねこばばの2000円の
合計5000円が番頭さんの懐にでは? 
時雨亭
2018年03月23日 23:34
3人には間違いなく3000円渡ってます。
だから3人は1人9000円で泊まり、
27000円しか払ってないのです。
確かに番頭は悪い奴ですが、
2000円しか懐に入れてません。

うーむ、みなとさん正解なのか…。
私も混乱して来ました。(ーー゛)
獅子座
2018年03月25日 11:47
一瞬で分かりました。
でもダンナに見せて考えさせようとしたら、またその瞬間にこんがらかって分からなくなりました。ダンナはフリーズ状態です。夫婦で困ってます。日曜日がこの問題で終りそうです。
時雨亭
2018年03月25日 20:37
解決しましたか?
最初の直感が正解かと推測します。
思い出してみましょうね。(笑)
獅子座
2018年03月27日 21:31
夫婦揃って理解出来ました。
苦しい三日間でした。
友人達に拡散させます!
悩む姿を見て優越感に浸ります!
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